どく…どく…どく… じっとしているだけで身体に伝わってくる心音。 私は何度か深呼吸をした。 そういえば何て名前なんだろう ふと顔を上げて表札を見ると「宮村」という文字が綺麗な明朝体で掘られていた。 ……あれ 私大事なことを忘れている気がする 「はーい!」 可愛い女の子の声にどくんっと胸が音を立てる。 「いらっしゃい」