「それは… 行ってからのお楽しみ」 目をキョロキョロさせながらへへっと笑うお兄ちゃん。 私がじーっと見返すとお兄ちゃんは「待ってるから行きな」と言って 私の背中を押した。 「お兄ちゃん、できたよ。」 「ばっちり!」 鎖骨くらいの長さの真っ黒な髪。 それを後ろで軽く結って、前髪は横に流した。 お兄ちゃんは玄関のドアを勢いよく開けた。