「雫(しずく)!ご飯食べいこう」 部屋ドアが急に開いたと思ったら お兄ちゃんの大きな声が耳にキーンと響いた 驚いた私は盛大に椅子から落ちた 「い、いまから?」 「うん いまから!」 お兄ちゃんは慣れた手つきで私を引っ張りあげてくれた。 そんな急にご飯食べに行くって言われても… 読みかけの本…続き気になる… 私は栞を挟んだ本に視線を飛ばす。 すると お兄ちゃんは私と目を合わせるように顔を覗き込んできた。 「雫、おねがい!好きなもの買ってやるから…」 「…行く!」