真雪の中に生きる実感が生まれた。





そして真雪は、




体を自在に動かせない自分と対照的な、




グラウンドで自由自在にボールを操る愛与に憧れを抱き、




恋に落ちた。






真雪の顔にまた、楽しそうな笑顔が戻ってきて、




真雪を満たした。





アイツが真雪を受け入れてくれたことには感謝してる。




例え最初は遊び半分で近付いたとしても、




真雪が救われたことには変わりない。





何だって諦める癖がついてしまっていた真雪に、




愛与の存在が、生きる為の意味と意志を再び与えてくれた。





だからどうか……、




真雪を突き放したりしないで……。





心も体も弱くて脆い真雪が、





これ以上また傷付きませんように……。




だからあの日、わたしは祈るような気持ちで、




マンションの入り口に向かう真雪を見送ったんだ。