力一杯吐き出した本音が、




晴れた空に吸い込まれていく。





目の前の知海は俯き、ぶら下げた両手を握り締めてる。




自分から拒絶したのに、
自分が会いたくなったら会いに行く。




都合の良いことを言ってるのはわかってる。





だから、知海は怒ってるのかもしれない。




「なんで……もっと早く……」





小刻みに震えだした知海の体から、絞り出すような声。




顔を上げた知海は、




「なんで、もっと早くっ……真雪に会いに来なかったのよっ!」




大粒の涙を流しながら泣いていた。





驚きで完全に動けない。

心臓だけがやたら、落ち着き無く脈打っている。




「昨日までずっと……ここでアンタを、待ってたのに……」





足元にいくつものシミを作っていく知海を、





真っ白な頭でぼんやり見つめていた。