そんな簡単に幸せが訪れる訳もなく、夏休み直前、また女子に囲まれてしまった。


「あの日、生島くんといたらしいじゃない」


「え?」

「夏祭りよ!」


なんでこうも、寄って集ってやめて欲しい…嫌だ…

「大丈夫よそんなに痛いことしないから」

それと共に、水が上から…もうやだ…朔…助けてなんで私がこんな目にあわなきゃいけないの…


「何がしたいわけ?俺言わなかったっけ?あの時の人達じゃないのか。はぁ…俺のなんだけど?いいから、そこどいてくれないかな」


朔が来てくれて、女子が戸惑ったような顔をして逃げて行った


「すげー濡れてんじゃん……俺のパーカー着てろ」

「うん、ごめんありがとう」


朔といるということは、そこにも気をつけなきゃいけなくて。覚悟しなきゃダメなんだよね…うん。


「俺お前を傷つけてるよな……」


「違うよ、大丈夫。わかりきってたことだからさ。」


抱きしめられて…ごめんって言われて。朔の胸が温かくて泣いてしまった。


「もう嫌だよ…朔といたいのにどうしてそれを許してもらえないの?」


「他の奴らなんて無視しろ、俺がお前を守るから任せて」


一緒にいたいから、それだけなのでもそれが周りにとって良くないことで。
一緒にいたいのにそれは叶わないってこと?


「もう夏休みに入るんだから気にすんな」


…休み明けは、もっと幸せになれるかな?