「君は、誰だい?」
と。
一瞬、僕は何が起こったのか分からなかった。
「何言っているんですか、僕のこと、忘れ
ちゃったんですか?」

しばらく、お兄さんと話した。
僕が、お兄さんの隣の部屋に住んでいることも、僕がよく、お兄さんに勉強を教えてもらっていることも...

それでも、お兄さんは、何も思い出さなかった。