瑠衣side


夏葉が、思い出してくれて良かった。



ほんとにあんだな。何かでパッと思い出すこと。



良かった……。



でも、こんなになったの、あいつのせいなんだよな…。



崎原……



ふざけんな



プルルプルル



「おい。崎原か?お前のせいで、夏葉がこんな目にあったんだぞ?」



『知ってるけど?何かあんの?』



「……お前、そんな事しながらもよくモデルやってられっよな、」



『仕事だし』



「今は夏葉が警察巻き込まなくていいからって、動いてないけど、俺らが訴えればなぁ、お前、活動なんか出来なくなんだよ。」



『え…?瑠衣くん。待って。お願い。訴えないで。今住んでる家も、学校も。全て、事務所が負担してくれてるの。今そんな事になったら……』



は?最後は結局自分の心配かよ



「夏葉はな、死にかけたんだぞ?」



『ごめん。ほんとにごめん。謝る。今私、とっても反省してて。』



ほんとかよ。さっきまであんな呑気な事言ってたくせに


「訴えんのはしねぇから、謝れよ。夏葉に。」



『夏葉ちゃん、元気そうじゃん』



「あ?お前正気か?わざわざ元気に振舞ってるだけだよ。俺には分かる。辛そうな顔も。」



『分かったから。ごめん』



あいつ、本気かよ。



そんなんじゃ許せねぇけど、今はとりあえずこの気持ち押さえてやるよ。