「無事、手術は終わりました。でも、まだ意識は戻っていません。戻ったら、声をかけてあげてください。お願いします。」



『ありがとうございます。先生。』




「夏葉?目、覚めたか?俺だよ。分かる?」



「愛佳、麗!私も、どうしてここに?……あ、初めまして。私も、夏葉って言います。」


はじめまして?


ん?夏葉、誰に言ってんのか?俺らしかここにはいないぞ?



「夏葉?」



「あなたの名前は?」



は?



「お前……。俺の事、分かんねぇの?なぁ…」



「……すみません。」



どうなってんだよ。



「おいっ!どうなってんだよ。麗、なんで?なんで夏葉、俺の事んわかんねんだよ」



何が起こってんだ?



「おい!お前医者だろ?手術は無事終わったんじゃねーのか?」



「はい。まだ意識が戻ったばかりですので、混乱しているのかもしれません。もう少し時間を経たせてみましょう」



は?んな事知るかよ



「瑠衣くん!夏葉が…。」



「お前、夏葉にそんな姿見せていいのかよ。1番つれぇのは、夏葉だぞ」


「愛佳、この人、誰??」



「ほんとに忘れちゃったの?ねぇ……夏葉?私のことは覚えてるのに?」



「うん……。ごめん。」



なんで俺が?



「夏葉、この人は、瑠衣くんだよ?」



「瑠衣……くん。よろしくね!瑠衣くん。私、あなたの事忘れてるみたいで……ごめんなさい。あなたと私はどうゆう関係?」



「俺たちは……いや、なんでもない。ごめん。俺帰る」



「おい!お前ふざけんなよ。ごめん。夏葉、愛佳。ちょっと行ってくる」



「なぁ。瑠衣?お前、どうしたんだよ。一時的に忘れてるだけかも知んねぇだろ?」



「……いい。」



「あ?」



「もういいよ。ほっといてくれ。俺は、夏葉に迷惑ばっかかけてて。そんな、忘れられるのは、すっごい辛い。だけどな、忘れたんだったら、もう夏葉に迷惑かけることも無いだろ?」



「ンなの、お前らしくねーじゃん。」



「いーから。アイツらんとこいけよ。ほっとけ」



なんで?俺の事忘れた?