きみのココロは読めない






夏葉どこにいんだよ。



図書室にいるって言ってたのに。



「なんで電話出ねんだよ。」



«プルルプルル»



「麗?どうしたんだ?お前が電話とか珍しいじゃん」



「お前、何呑気な事言ってんだよ。聞いてねーのか?」



「何が?」



「いーから、早く〇〇病院に来い。」



病院?



「でも、夏葉が学校でどっか行っちゃって、探さないと」


「お前、なんも聞いてねーのか?夏葉、バイクにひかれたんだよ」



夏葉……が……?



バイクに……ひかれ…た?



「麗、ど……うゆ……うこと?」



「んな事いーから、早く来い」



ふざけんなよ。夏葉が。夏葉。





「おい!麗。愛佳、夏葉は?おいっ」



「今、手術室にいる。夏葉、今生死の境にいんだよ。」





「夏葉が?なんで」



俺が屋上行ったからか?



なんでだよ。こんな事になるなら……俺……



「今頃、学校に警察が向かってる。夏葉も、今頑張ってる。俺たちだって辛いよ。だけど、今できるのは、願うことだけだろ?」



「ヒック…夏葉。夏葉。夏葉が。私のせいなの。夏葉。」



「愛佳、どうゆう事だよ。お前のせいじゃないだろ?」



「私、女の先輩に、夏葉を校門に連れてくるように言われて。もし連れてこなかったら、麗を取るって言われて。だから。夏葉にも事情伝えて、来てもらって」



「おい。愛佳、別にそれはお前のせいじゃないだろ」



「ううん。その先輩、崎原先輩なの」



崎原?あいつ……夏葉を。夏葉を……