「満ちゃんさえ良ければ、冬休みにアルバイトとして編集部へ助っ人に来てもらえないかなぁって。ここだけの話、正規の方法でバイト雇ってる余裕も無いっていうか……。
その点で言えば満ちゃんなら安心だから」
珠子の乾いた笑い声が電話越しに響く。
大学生の満相手に全力で気を遣っている。
それは、満にとって願っても無いチャンスだった。
編集部で働ける絶好の機会……
どんな形であれ、憧れの舞台に立てる。
「やります!」
満の力強く珠子に告げた。
「えっ、でも大学の方は……?」
「そっちは何とかします。やらせて下さい!お願いします!」
自分は依頼された方だということを忘れて、満はその場で深々と頭を下げていた。
当然、電話の向こうにいる珠子にそれは見えているはずもなく。
それでも、珠子が「分かった。お願いするわ」と言うまで満は頭を上げられなかった。



