恋は小説よりも奇なり


「マジで!?」

「大マジです。濃紺の万年筆をあげた子が。名前はえっと……み、みつ……」

「満ちゃん」

先に名前を口にしたのは大和だ。

「そうそう、瀬戸 満さん」

「そっか。やっぱり持ってきていたのか」

大和はニコニコしながら珠子の肩をペシペシ叩く。

「専務のお知り合いですか?」

「まぁね。最近出会った可愛い子ちゃんだよ」

「でも……なんだか先生ったら荒れていましたよ?」

肩を叩かれているせいで珠子の声はところどころ強弱がついてしまう。

幼なじみの反応を聞いて、大和は珠子の肩を叩く手をピタリと止めた。

「そうかぁ、荒れてたのかぁ……」

大和はニンマリと口角を押し上げていく。

奏のマンションでプレゼントのことを聞いた時の珠子と同じような悪い顔をしている。

上司の表情を見て、珠子は武長 奏に何かが起こることを確信した。