相手は人気小説を手掛ける大先生。
そんな暇があるなら彼自身の為に一秒でも長く時間をあてるべきだ。
「駄目だよ、満ちゃん。夜の街は危険なんだから。こんなのでもいるといないとでは随分な違いだよ」
必死の抵抗も空しく、大和は満を説き伏せにかかる。
「こんなのとは何だ……」
そこへ、奏が憮然としながら横槍を入れた。
武長 奏を“こんなの”扱いできるのは後にも先にも高津 大和だけだろう。
「こりゃ失敬。とにかく、奏は二次会不参加の代わりに満ちゃんと帰ること。
それが嫌なら二次会強制参加で、俺が先に満ちゃんを送っていく。さぁ、どうする?」
奏の頬がピクピク動いて苦々しい顔つきになっていく。
不愉快だと言わんばかりの表情。
しかし、最終的に奏は「分かった……」と了承したのだった。



