恋は小説よりも奇なり


「気合入ってんな……って思われないかなぁ」

「思ってもらわなきゃ意味ないじゃない?むしろ、見せ付けるぐらいでいかなきゃ」

満は親友の言葉に込められた気合に押され気味で「うん……」と答えた。

「はい、出来た」

樹は仕上げの飾りピンを満の髪の毛へつける。

そして、彼女の肩に手を置いて鏡を覗き込み「可愛くなった」と満足気な表情をみせた。

満は鏡に映った自分自身を呆然と見つめる。


自分なんだけど自分じゃないみたい。


こんなに着飾ったのは成人式依頼だろうか。


「ほら!早くしないと遅刻しちゃう!」

ボーっとその場を動かない満を樹が無理矢理立たせてハンドバッグを持たせる。

彼女に追い出されるように部屋を後にして、二人はパーティー会場へと向かう。