恋は小説よりも奇なり


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奏のプレゼントを購入してからバースデーパーティーの当日まで、満の中では言い知れぬ不安と緊張は続いた。

「ねぇ、ちょっと頑張りすぎじゃない?」

自分の姿を鏡で見て満が不安を零す。

袖を通していたのはフェミニンで可愛らしいワンピース。

普段から着慣れていないと足がスースーして堪らない。

「満は頑張ってるぐらいが丁度いいの。それとも、アタシの傑作に文句つける気?」

満の無造作ヘアを整えているうちに完全にスイッチが入ってしまったようで、樹の目がギラギラと輝いている。

意見でもしようものなら速攻でビームを繰り出しそうな勢いだ。

「文句とかじゃないけど、メガネもわざわざコンタクトにつけかえてさ……。なんか恥ずかしいよ」

「とったら恥ずかしいって、アンタのメガネは下着かなんかか!?」

樹から鋭いツッコミが入る。