恋は小説よりも奇なり


店の奥は可愛らしいキャラクター文房具が並ぶ店頭とは少し違った雰囲気だ。

革製の手帳が並び、ケースに入った商品が蛍光灯の灯りに照らされてキラキラしていた。

「何かお探しですか?」

エプロンをつけた若い女性店員が笑顔で満に声を掛ける。

「えっと、誕生日プレゼントを……」

「お誕生日の贈り物でしたら手帳や万年筆がオススメですよ」

「万年筆かぁ……」

満はガラスケースの中で規則正しく並ぶ万年筆を食い入るように見つめる。

「万年筆は手に負担がかかりにくいですし、公式文書などにサインする時にはとても重宝されますからね。お出ししてみましょうか?」

「お願いします」

満の返事を聞くと女性店員は持っている鍵でガラスケースのロックを開け、そこから万年筆を数種類取り出してくれた。