恋は小説よりも奇なり


デパートはすっかり秋一色。

専門店も多く、誕生日プレゼントも見つけられそうな雰囲気だ。

「これはさすがに無いなぁ……」

満の手にはパンダの顔がかたどられた灰皿が乗っている。

口の部分が灰を落とす皿になっていて可愛らしい。

「だってパンダだし」

思わず口から本音が漏れた。

奏とパンダがあまりにミスマッチで笑えてしまう。


タバコとか吸うのかな……


似合うとか似合わない以前の疑問だ。

その可愛らしいパンダの灰皿をそっと元通りに戻した。

満はデパート内を歩いて思いつく限りの店を回っていく。


洋服。サイズも好みも分からない。


花。相手は大人の男性。


お菓子やケーキ。芸が無い。


これ!と言える品物が見つからず、最後に残ったのが文房具専門店だった。

店頭にはキャラクターの絵がプリントされた鉛筆や消しゴムが並んでいる。

「これだと小学生のお誕生日会だよね……」

あまり期待を持たないまま満は店内へと足を踏み入れた。