恋は小説よりも奇なり


武長 奏のバースデーパーティーの誘いを受けて後、満の思考の大半はそのことについていっぱいだった。

初対面の満に“神様が嫌がらせの為に作った産物”と言った武長 奏。

第一印象は怖くて失礼で変わった人。

そして、幸か不幸かその人は満の憧れの小説家だ。


大ファン


憧れ


言うわりに彼の事をよく知らない。


そのことに満は少し落ち込んだ。

事実、誕生日さえも樹に聞いて初めて知った。

お誕生日会なのにプレゼントのことを気にしなくてもいいと彼の幼馴染は言う。

受け取ってもらえないだろうと予告されても、準備をせずにはいられない。

プレゼントと共に心からのお祝いを渡したかった。

「でも、何をあげたらいいんだろう……」

満の悩みは募るばかり。

これが家族や親友なら何が欲しいとかどんなものが好みとかすぐに分かるのに。

そんな横着者(おうちゃくもの)な自分自身を満は叱咤(しった)する。