恋は小説よりも奇なり



結婚式は神聖で温かいもの。

それはいつの時代も変わらない。

純白のドレスも仲睦ましく歩くバージンロードも誓いのキスも――…全てが憧れ。

いつか沢山の人に愛する人との門出を祝福される日を夢見ながら新郎新婦の幸せを願う。

「おめでとう!珠子!」

「おめでとう!」

「幸せになれよ!」

幸せいっぱいの新郎新婦に祝福のシャワーが浴びせられる。

色鮮やかな花びらが風に乗って降り注ぐ。


「それじゃ、ブーケ投げまーす」

珠子は白いブーケを大きく空へ掲げた。

それを合図に独身の女性ゲストは我も我もと前に出る。


『高津書房内定祝いも兼ねて今日のブーケは満ちゃんにプレゼントするわ』


控室で珠子が言った言葉を満は思い出す。

女性ゲストの最後尾。

満に向かって珠子が微笑んだ気がした。