恋は小説よりも奇なり


「大和さん……満の留学って何のことですか?」

そばに控えていた樹が不安気な目をして大和に尋ねる。

親友の大事を知らなかったことに動揺している風だ。

「樹ちゃんもやっぱり知らなかったの!?」

大和の驚き様は尋常でない。


満の姿を見かけた時からもしかしてとは思っていたが……


らしくない事をしていると思いつつ大和は遠くに見える満に視線を向けた。

「留学に行くか迷っていたみたいなんだ。俺が事情を聴いたのは本当に偶然だったんだけど。考えがまとまったら話すって言っていたんだ。それが、樹ちゃんにまで何も言っていないなんて……」

深まる疑問。

大和は頭を捻る。

「それなら、今から満に直接尋ねたらいいじゃないですか」

樹は満のもとへ行こうと進む。

しかし、大和は樹の二の腕を優しく掴んでそれを制止した。