恋は小説よりも奇なり


なるようにしてなったと言ってもいい結果。

満は必至で自分の心に言い聞かせた。

ただ、自身の想いを彼に伝えられなかったことが心残りだった。

「そしたら彼……何て答えたと思う?」

絢子の問いに満は一言も答えられなかった。

想像もしたくない。

答えない満に代わって絢子は続ける。

「“絢ちゃん、俺は君に幸せにしてもらっていい男じゃないんだ”って言ったのよ」

「え……」

満は外の景色から絢子の方へ視線を移した。

彼女は淋しそうに目を伏せる。

「私じゃ武長さんを幸せにはできないってこと」

控えめになっていく絢子の声音。

「絢子さん……」

満にはかける言葉が見つからなかった。

今、自分がどんな言葉をかけても彼女には正しく気持ちが伝わっていかない気がして――…