恋は小説よりも奇なり


この先の苦言もスパッとまき割りのごとく言われるのかと思うと満の表情は強張って「は、はぁ……」と短く返事をするのが限界だった。

「そんなに怖がらないで。取って食ったりなんてしないわよ」

構える満に絢子は苦笑を浮かべた。

「怖がるなんてそんなこと……」

似たような景色がどんどん窓の外を流れていく。

「私ね、武長さんに気持ち伝えたの。武長さんが好きだから幸せにしたいって」

満は先ほどから気が気でない心を押し潰して「そう……ですか」と答える。

代わり映えがしない景色を眺めた。

横にいる彼女が気持ちを伝えたということは自らの失恋も意味している。

美人でしっかり者の絢子。

満から見ても絵に描いたような素敵な女性。

こんな人に告白されて喜ばない人はいない。