恋は小説よりも奇なり


彼はうーん……と首をかしげると、急に閃いたように手を叩いた。

「この間、学生から土産にもらった日本茶じゃ。うまいし健康にいいからと言うておったのすっかり忘れとったわい」

グハハハハと盛大に笑う中島教授を尻目に満は密かに苦笑した。

「よかったらお茶淹れましょうか?」

「瀬戸ちゃんと一緒に茶するのも悪くない。お湯はポットの中のやつを使えばええ」

満は言われた通りに茶を淹れはじめる。

中島教授の研究室は研究室であってそうではない空気がいつも漂っていた。

縁側で近所の老人と世間話をしている気分。

満が茶を淹れている間、中島教授は引き出しをガサガサ漁っている。

「たしかこの辺にあったはずなんじゃが……。おー、あったあった。茶請けのせんべい」

取り出したのはスーパーの袋に入ったえびせんべいだった。