恋は小説よりも奇なり


「イケメンだった?」

「うん、顔はね……」

「歳は?」

「えーっと、多分二十代後半から三十代前半くらいだと思う」

「背は?」

「結構高かった――…ってもう止めない?」

親友の質問攻めに満は少しだけうんざりした様子を見せる。

「だって、満の口から小説家以外の男の話が出るなんて珍しいんだもん。親友としてはそこんとこ、放っておけないじゃない」

樹はいつになく楽しそうで嬉しそう。

「放っておいていいから。ただ、自分が今一番注目してる小説の事を聞かれたから覚えてただけだし……」

樹の笑う顔を見ると満は気恥ずかしくて堪らない。

なぜなら、知り合った男性の事でこんな風に話をしたことが今まで一度も無かったからだ。