恋は小説よりも奇なり


帰宅途中の一杯を堪能していたサラリーマンたちもそろそろお開きになろうかという時刻。

危なっかしい足取りで道路を歩く満は泥酔状態でヘラヘラ笑っている。

「武長 奏がなんぼのもんじゃーい!!」

人目も憚(はばか)らず声を上げ、新たに酒を求めてコンビニへ入ろうとした。

「満……もう帰ろう、ね?」

「嫌ら!まら飲む……!」

もはや呂律もうまく回っていない満。

樹が制止するのも振り切ろうともがく。

普段からあまり多く飲酒をしない満には多すぎる飲酒量。

「樹の嘘付きィ……。今日は付き合ってくれるって言ったじゃない……」

「そりゃ言ったけど、アンタもうベロベロだし……」

樹はなだめるように満の肩をポンポン叩いた。

しかし、満はその手をブンッと払いのける。