大きなものから小さなものまでそこかしこに飾られた絵画でいっぱいのその場所。
静かで洗練された空気をまとっている。
遊園地帰りであまりに場違いな格好をしている満は、奏の背を盾に小さく縮こまっている事しかできなかった。
「申し訳ございません。本日、調(しらべ)は外しておりまして……」
男性は丁寧に頭を下げ、奏に対して申し訳なさそうに陳謝する。
奏がこの場所でいかに大切なゲストとして扱われているかが分かる。
「気になさらずに。予告も無く勝手に足を運んだのは俺ですから。それより、これから少し見て回っても?」
「もちろんでございます。案内はご入用ですか?」
「いいえ、こちらで好きに見ていきますので」
「かしこまりました。ごゆっくりどうぞ」
男性が一礼して身を引くと、奏はその前を通って展示品があるスペースへ歩いていった。



