恋は小説よりも奇なり


子どもに人気のメリーゴーランド。

茶や白の毛色をした馬にゆらゆら揺られていると小さい頃が思い出された。

あの頃、楽しいばかりだった遊具も今になって乗ると照れと懐かしさがこみ上げる。

そんな懐かしさに浸っている満をよそに、とんでもなく偉そうな存在感を出している男が一人。

馬車の座席へ足を組んでドッカリ腰を下ろし、ムッと唇を引き結んだ奏だ。

彼の前の馬に乗っている満はその悶々としたオーラを直接感じる破目になった。

「先生、何でそんなに偉そうなんですか?」

耐えられなくなった満は振り向いて抗議する。

奏の顔つきは何一つ変わらない。

「愚問だな。俺はこの中で一番偉い」

「私たち以外みんな子どもじゃないですか。もっとこう……楽しそうにできないんですか?」

「出来なくはない。だが、お前は俺のそういう姿が本当に見たいと思うのか?」

「うっ……」

満は言葉に詰まってしまう。