恋は小説よりも奇なり


「あからさまに不満そうな反応どうもです……」

「俺の思っていることが分かってきたようで感心だな。しかし、早見の代理をつとめるのが元ミジンコ編集とは……」

これでもかと言わんばかりに皮肉を込めて、奏はガッカリした様子で首を左右に振る。

「うっ……それは――…」

満は奏から視線を逸らす。

それを言われると手も足も頭も引っ込めた亀のように小さくなるしかない。

絶対の信頼を寄せている担当編集者と手切れ本を進呈された大学生。

誰がどう見てもまさに月とすっぽんだ。

「まぁ、せいぜい足掻いてみせろ。“参考になった”と俺に言わせられるように」

奏は意地悪気に口角を吊り上げて笑うと、さっさとゲートをくぐっていった。