「この前さ、龍に聞いたやんか。」




新藤さんの抱えるもの。
それの大きさが
どれぐらいのものなのかが分からんこと。


好きって自覚はあるのに
自分に自信が持てないこと。


どうしたら新藤さんに警戒心消してもらえるか。


仕事に身が入らず
ミスばっかりしてしまうこと。





「んーそやなぁ。
その新藤さんはきっと純粋な子なんやろなぁ。」





龍と3人で話しているときも
紺ちゃんは新藤さんを純粋と言った。






「それは斗自身が壁作ってるんとちゃう?」

「俺が.....?」

「そう。斗が新藤さんに対して警戒するから
彼女もいつまで経っても
心開かへんのとちゃうかなぁ。」






紺ちゃんの言葉が
しっかりと俺の心に刺さる。






「俺もな、似たような経験してん。」






そう話してくれたのは
つい最近の話。