「どした?志乃。知り合い?」





志乃ちゃんのスプーンを拾いながら
龍が尋ねる。





「戻って来ちゃう.....」





志乃ちゃんがそれに答えることはなくて。
表情はみるみる歪んできて。






「その子に仕事のことは....?」

「仕事?アイドルってこと?
それは言ってないよ。」

「嘘.....ついたんですか?」

「んー嘘...なんかなぁ。
俺のことも知らんみたいやったし、
正直に言って距離取られるのも嫌やったから....」



「ちょ、志乃!!」







紺ちゃんのその言葉を最後に
龍の止める声も虚しく、
志乃ちゃんは部屋を飛び出してしまった。





訳も分からず、
俺ら3人は取り残された。