幸福論

「だ、大丈夫です。」




ようやく声の出た私は
転げた恥ずかしさと
男性にいきなり話しかけられた驚きから
汗をかき始めたのが分かった。



それから釣りに戻った彼。



会話は無かったものの
ふと気になって彼を見てみると
何やらニコニコ楽しそう。


さっきの質問答えられなかったなーなんて
思っていると気がついたこと。


彼の被るキャップは静哉と同じもの、
つまりこの前静哉と来た時、隣にいた人。


どうやら彼もここの常連のようだ。