「どした?」





優しく優しく問いかける。
そして彼女は言った。





「紺さんに話さなきゃいけないことがある。」







俺を見る目は揺れ
すぐに何のことか察した。


志乃さんによって触りだけ聞いた彼女の過去。


想いが通じ合っても
俺らにはまだ乗り越えなあかん壁が残ってるんや。


俺はもう一度彼女の手を包み
優しく頷いた。