全部全部余すことなく話した。


コーディネートしたモデルが
紺さんだと知らなかったこと。
ムービーを見て家を飛び出したこと。


それに彼は
うんうんと微笑みながら聞いてくれた。


そして気付いた些細なこと。





「...もう泣き止んだか?」

「ん、大丈夫。」





再会してから敬語だった私は
いつの間にかタメ口になっていた。


これは2年前の夏と同じ。
出会ってすぐに私はタメ口で話してた。


紺さんだから作られるこの空気が
そうさせるんだ。


この事実はきっと
この2年間の空白なんて


なかったことにしてくれるんじゃないかな。