笑顔でありがとうと伝えた彼。


その笑顔はずっとずっと待ってたもの。
私を離してくれなかったもの。


途端に涙が溢れ視界がぼやける。





「泣かんといてや〜」




そう困ったように笑い
指で拭ってくれる彼。


もうそれだけで。


隣に彼がいる。


この事だけでこの2年間なんて
なかったことにできる。






「...私も...っ話したいこと....っ
あります.......」

「ん、なに?
とりあえず泣き止んでやぁ?」





話しながらも溢れる涙は
彼の手によってもう流れることはない。



ほんとはずっと怒ってたこと。
釣りに行けなくなったこと。
街でポスターを見つける度に胸が痛かったこと。