そりゃ1年も2年も前の話やもんな。
そんなん今更って思うよな。


多分斗らも勘違いしとったのを
間違えて俺に話してしまったんや。


ポスターを見上げてたのも
多分俺のことは目にも入ってない。


モデルのコーディネートも
俺をイメージしたわけじゃない。


計画成功どころか
彼女の中にそもそも俺はいなかった。


正気に戻れば
えらい自分が恥ずかしくなってきて


空気を切るように立ち上がり
おもむろにタバコに火をつけた。


禁煙してたのに。


彼女と再会した時くさいって思われんように
会いに行くって決めた冬から頑張ってきたけど


もうそれも意味ない。





「......ッフー」




一息吐いて車に戻ろうと湖に背を向けた。


今年の冬も1人や。


1人は嫌いって言ったのに。