幸福論

計画がうまくいったらとか
そんなことは関係なくて


”釣り人は一途なんやで”って
あの時俺は笑顔で返したはずやのに


確かにあの言葉に嘘はないはずやのに


考えれば考えるほど
受け入れるのが怖くって。


受け入れられへんかったら
どうしようって思ってしまって。


でも、やっぱり
君ともう会えへんことの方が怖いから。


釣り人はどんなことがあっても
大切な人を守る。


それを証明したいから。





「..........圭太ごめんな....
これだけは言われへんわ。」





部屋の中にいる圭太やみんなに
聞こえへんぐらい、


小さい声で呟いた。


俺が一人で背負いたい。
彼女の過去も今も。



それがあの子に惚れた
ただの釣り人、紺野の使命やと思うから。