幸福論

「めっちゃぼーっとするやん。」

「あぁー、ごめんごめん。」

「取材内容覚えてる?」

「えーっと、なんやっけ。」

「そんな難しかったか?」

「いや..........そんなことはないんやけど....」

「まっ悩んでることあるなら夜聞くわ。」






そう言うと圭太は戻っていった。



一人廊下のソファに残る。
今考えるのは計画のことじゃない。


それよりももっと
俺には考えなあかんことが残ってたんや。


ずっと頭の中にはあったこと。


それはまこちゃんの過去。


いっちばん忘れたらあかんはずやのに
この何ヶ月か、いや、
志乃さんに告げられて以来やから半年以上か。


俺は考えることを放置してた。