会ったことある人なら
挨拶しなきゃと思ったけど、


職業柄、毎日色んな人に会うため
正直全員のことを覚えている自信がなかった。


知らない人だとわかった今、
隣の様子を伺う理由が無くなったために
静哉を連れて車へと戻る。





「てか声デカいねん!
隣にバレてしまうやろ!」

「いや、そんなん大丈夫やって!
誰も気にしてへんよ俺らのことなんか。
それより俺も欲しいそのキャップ!」






そんな会話がされていたことにも
気づくわけがなかった。