幸福論

「私ね、まこが店舗見に行ったって聞いた時
ほんとに全身の血の気が引いた気がした。」





少し落ち着いた志乃は
真っ赤な目をまだ潤ませながら
話し始めた。




「正直気付かれたかなーって思ってたの。」





「でも店舗に行った時にはもう遅くって。」




「まこの顔を見た時、
あぁ、やっぱり知らなかったんだって気付いた。」





ポツポツと語られるあの時の様子。




「まこ、私が渡したあのディスク、
中身見てくれた....?」

「...............」

「その様子じゃ見てないね........
それじゃあ気付かないわけだ.......」





すっかり存在を忘れてしまっていた。


1ヶ月前に渡されたそれは
一度もパソコンに入れられてないまま。


聞かれることもなかったから
気にしないでいいかと思っていた。