幸福論

さっきまで頭に持っていた手は
遠慮がちに背中に回り


私の肩に顎を乗せてそう小さく呟いた。





「..........ほんまはずっとずっっと
言わんとこうと思っててん。」

「..................」

「困らせたくないし、」

「................」

「嫌われたくないし、」






ふわふわの髪が頬にあたり
こそばゆいのになぜか嫌ではなくて


だけど次々に呟かれる彼の気持ちには
何も答えることができなくて


乗せた顔を肩に埋めた後





「困らせてごめん。」




そっと彼は私から離れた。