幸福論

「....ッ何も聞かないんだね。」

「....何もって?」

「.....そのッ....なんで泣いてるのとか.....ッ」

「んーそやなぁ。
まぁ聞かんでも大体分かるしな。」





ペタンと座り込む私に
向かい合うようにあぐらをかいて座っている彼。

少し猫背な小森くんは
座ってても体の大きさがよく分かる。


ぐちゃぐちゃな顔で見上げる私に
相変わらず優しい口調の彼は
目から涙が溢れないよう
そっと指ですくってくれる。






「......分かるの....ッ?」

「んー、まぁ大体な。」

「......なんで....ッ?」

「んー、なんでやろ。」





そう言うと小森くんは
さっきよりも近いところに座り直した。


一瞬ビクッとなったけど
すぐにそれは安心感に変わる。


私は近付いた小森くんの大きな体によって
包まれていた。





「....好きやから。
........とか言ったら怒る?」