幸福論

結局寝室に行けたのは明け方。


2時間後には静哉を起こさないといけない。


少しだけ休もうとベッドに入った。


今になると色々冷静に考えられる。


なんであんなに狂ったように泣いたんだろう。
なんで突然思い出したりしたんだろう。


考えれば考えるほど冷静な自分がいる。




「....なんか目腫れすぎちゃう?」




その日の朝起こした静哉の言葉で
あ、やっぱり泣いたんだ
なんて思えるぐらい冷静だった。


彼を送り出してようやく気付く
部屋の静寂感。


やっぱり冬は苦手だ。


1人が寂しいなんてこれまでの人生
思ったことなんて一度もなかったのに。


静かな部屋で1人朝食を済ます。


そろそろ時間だと立った時
志乃から連絡が来てたことに気付いた。



”ランチしよ!”
その内容を見て冷えた心が少し温まる。


昼前に連絡を入れる約束をして
冷え切った部屋を出た。