幸福論

その隣で私も寝るんだよ?
いくら姉だからといえ尊敬する。


まぁ年が離れてるから
そんなわがままにも付き合ってあげたくなるもので。


言われた通りに
ウォークインクローゼットを開けた。


片隅に置かれた大きなバッグ達。


前にも同じようなことがあったなと思いながらも
それを取り出し中を見る。


もう随分と弟の手で触られてなかったそれは
私がつけたであろう傷がたくさん刻まれている。


初めて見た傷もあれば
絶対怒られるだろうなって大きさの傷も。