幸福論

いつまでもくよくよするのやめよって。


だから斗にも前みたいに接した。
そしたら向こうも普通にしてくれるようになって
前みたいな関係に戻れた。


斗もまだ好きなのかは分からんかったけど
それでもいいって思ってん。


だって俺らどっちも好きなんやったら
平等やろ?


斗に諦めてって言う権利なんて
俺にはないから。


恋愛に勝負なんてないから。


好きって気持ちは痛いほど分かるから。





”あんなに大好きやった釣りも
やめてしまったら
それこそ紺ちゃんの良さ無くなるで?”




そう圭太に言われて
俺はあの日、久しぶりに湖に行った。


もしかしたら君も来てるかもしれん。


もし会ってしまっても
素直に謝れる気がせんかった。


君に会うのはちょっと早いって思った。


だから俺は、できるだけ遠く遠く、
誰も来なさそうな所まで行った。