幸福論

これはやばい。


せっかく気持ちを伝えようとしてたのに。
やっとカップルになれるかもしれんのに。


ちゃんとしな、って
改札を出た彼女を引き止めた。






「なに.........?」





これは完全に警戒してる。


今考えるべきことは、
見えもしない紺ちゃんとの関係なんかじゃない。


目の前にいるまこちゃんのことや。


考えても分かるわけのないことを
今はとりあえず置いとかな。





23時が迫る時間。



不審がる彼女を呼び止め
駅前の出来るだけ明るいベンチに座った。


告白するには人通りが多すぎるけど
怖がらせへんためには最適な場所。
そうじゃなくても今は警戒心持たせてるやろうし。





「あんな..........」






紺ちゃんのことは頭から抜けたものの
今度は告白のことで混乱してくる。





「あのー...........」