あれっきり、紺野さんのことを
考えることは無くなった。


無くなったというより、やめた。


たった半年間だけでも
夢を見れて良かった。


前の私、
仕事が命だった頃の私に戻るだけ。




それからは本当に仕事に生きた。


親友の志乃も佐伯さんから
無事に金のバッジを受け取り、


私たちはヒルズを盛り上げるために
より一層忙しくしていた。



季節は春。


冬が訪れるのももうすぐだと、
体を震わせていたあの時。


気が付いたらそれから寒い季節を超えて
もうすぐ暑い日がやってくる。


早くも長くも感じた半年前に比べると
ただ早く過ぎただけのこの半年。


その間に変わったいくつかのこと。