斗くんのところに話しに行った彼らは
自分達の席に戻った。
運よく彼らと鉢合わせることなく
まこが関係者席に着く。


でも、いつまでも神様は味方してくれない。
ずっと紺野さんを見てたから分かる。


彼は、誰が見ても分かるぐらい
目を見開いて固まってしまったんだ。


その目線の先には斗くん。
と、楽しそうに笑うまこ。


あぁ。彼も何も知らないんだ。
直感で分かった。


分かりやすく動揺した紺野さんは
式が始まってからも浮かない顔で。


それでもまこ達から
目を離すことはなかった。


2人がステージに上がっても
その目が逸らされることはなくて。


このまま何事もなく終わることだけを願った。



それなのに、不幸なことは連鎖するようで。
テープカットに彼らも参加するという。


もう終わりだ、隠せない。
そう思ったから、私にできる些細なこと。





”まこ、今は仕事。”





そう彼女に言った。