「いや、冗談やで」

「いや、俺が来て欲しいねん。」





疲れてるし帰ると言えばまさかの誘い。
酔ってるんかと聞けば
酒は一滴も飲んでないって。





「俺な、斗に話がある。」

「なんやねん改まって。」






なんか分からんけど
めっちゃ真面目な顔をした紺ちゃん。
気になったから家に行くことにした。



部屋に入ってからも言葉数が妙に少なくて
ソファに座った紺ちゃんの隣に座る。






「あ、そうや、紺ちゃんさ、
俺の好きな子見た!?」

「あ、あーうん。」

「どやった!?絶世の美女やったやろ!?」






それに答えることなく






「俺な、好きかもしれん子がおるって話、
したん覚えてる?」





紺ちゃんがポツポツと話し出した。



突然始まった恋バナ。
最初は新鮮で聞き入っていた。





でも、その話が終わる頃
どれもが信じがたいものばかりで、






嘘やろ、って
有り得へんやろ、って
どうしようもない感情が押し寄せる。



その場にいられなくて
真夜中とか関係なく





俺は部屋を飛び出した。





俺は一体どうしたらいい?