「どうしたの突然、紺さんを好きになって
よかったねって、志乃も喜んでなかった?」

「そうだけど....ほら、
もうすぐ店舗お披露目会でしょ?
今は仕事に集中した方がいいんじゃない?」





だけどそれはすぐに逸らされて、
その言葉を最後に、
その日から志乃の口から
紺さんの話が出ることは無くなった。


仕事でイライラしてたのかな、なんて
私も深くまで聞くことはやめた。


志乃の言う通り仕事も今回の企画も大詰め。
忙しさもピークに達し、
また釣りに行くタイミングを失っていた。








あの時なぜ志乃が目を逸らしたのか、
志乃が何を思い紺さんを遠ざけようとしたのか、
私は考えようともしなかった。