「何言ってるの？美紅は俺のために言ってくれてるんだろうけど、正直その言葉はまったく嬉しくない」
「えっ……」
拓人は今、なんて言った？
嬉しくないって……それはつまり、どういうこと？
じっと拓人を見つめれば、彼は穏やかに笑う。
そしてまた口を開いた。
「俺は美紅のそばにいたい。美紅のそばにいるのが一番幸せな時間で、何よりも楽しいかけがえのない時間。
だからそんなこと二度と言わないでほしいな」
まさかの言葉に、驚きを隠せない私。
だって拓人は、私のそばにいるのが一番幸せって……確かに言ったよね？
それは、本当なの？
じっと拓人を見つめるけれど、彼の表情は変わらず穏やか。
嘘をついているようには見えない。
